【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
情けをかけるに値しないと判断したのか、白坂くんはさらに力を加えた。
すると威勢などとうに消え失せた銀髪男は、何度も何度も解放してほしいと懇願した。
その悲痛な訴えにようやく耳を貸したのか、
「今すぐ消えろ」
鬼気迫るように、白坂くんがひねりあげた腕を乱暴に解放する。
銀髪男は勢いよく弾かれ、後ずさりするも、顔中汗まみれだった。
「あーーっ!! お……思い出したわっ!」
「澪ちゃん……?」
恐怖に慄く銀髪男を見下ろす白坂くんを、澪ちゃんが指さした。
「しっ、白坂凪……っ! 中学の時……“惨劇を招く夜鷹”って呼ばれてた男よっ!」
惨劇を、招く………?
「思い出したとこ悪いけど、それは俺じゃない」
けど、すぐに訂正した白坂くんが顔だけをこちらに向けて薄く笑った。
「俺は天と地の双璧。その片割れだよ」
フッと口角を上げると、再び男を眼下に捕える。