エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

 それから俺の仕事に対する姿勢は変わった。俺の取り調べは今まで、とにかく厳しく追い詰めて追い詰めて被疑者を落とすという一辺倒のやり方だった。

 しかしそれより、被疑者自らが真実を語りたくなるよう、時に穏やかに話を誘導する方が、有効な場合があることを知った。

 そんな俺の変化は東京地検内でちょっとした噂になっていて、〝鬼畜の津雲に恋人でもできたのではないか〟と勘繰られているらしい。……完全なる図星である。

 自分はそんなにわかりやすい男だったのかと思うと恥ずかしいところではあるが、今まで通り、和香菜との甘い関係は週末だけ。

 平日はモーニングコールで起こしてもらう以外は、お互い検事と事務官としての職務をまっとうしているので、周囲にとやかく言われる筋合いはないだろう。

 そうして順調に和香菜との交際を続け、二月も半ばになったある金曜日のこと。

 仕事を終え、デスクの上を片付けていた俺に、和香菜が緊張の面持ちで声を掛けてきた。

「あの、津雲さん。……急なんですけど、これからお時間ありませんか?」
「これから? 特にないが、どうした」

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