エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

 和香菜と一緒にいたのではないのか……?

 俺と益子検事が怪訝そうにしていると、三船が俺たちの目の前で急ブレーキをかける。そしてゼイゼイと肩で息をしながら、鬼気迫る表情で言った。

「わ……和香菜ちゃんが、拉致られた……!」
「なにを寝ぼけたことを。和香菜を連れて行ったのはお前だろう」
「そうなんだけど、俺はすぐにフラれて……! 別れた後、彼女が複数の男に無理やり車に乗せられるところを見たんだ」
「なんだと?」

 和香菜が……複数の男に車で拉致された? いったい、何の目的で……。 

 すぐさま和香菜のスマホに電話してみたが、呼び出し音が鳴り続けるだけで反応はない。

「車種とナンバーは通報済みだから、いずれ警察が見つけるとは思うけど……っておい、津雲、どこへ行くんだ」

 黙ってこの場を離れようとした俺を、三船が呼び止める。

「……和香菜を捜すに決まっている」

 隠しきれない怒気をはらませた声で、俺はそう答えた。

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