エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
恋人のDVを証明するために、彼女が仕掛けたのだろうか……?
そう思いつつも、カメラの存在に気づいたことは黙ったままでいると、彼女は俺にスマホの動画を見せることは諦め、微笑みながら言った。
『せっかく来ていただいたのに、無駄足になってしまって申し訳ありません。でも、今日は検事さんもお休みなんですよね? お茶でも飲んでいってください。もうすぐ、アップルパイが焼けるんです』
『いや、俺は――』
すぐに帰る、と言いかけて、やめた。カメラの存在について、彼女の口から説明してほしいと思ったのだ。
そして、彼女がキッチンでお茶や皿の準備をする姿をなにげなく見ていたら、無性に和香菜に会いたくなってきた。
我慢できずにスマホを取り出した俺は、窓から小さなバルコニーに出て、電話を掛ける。
このところ彼女ときちんとコミュニケーションが取れていなかったので、声だけでも聴いて、安心したかった。
しかし、そんな胸の内を素直に告げようとしたところで、背後の窓が開いて。
『津雲さーん、アップルパイが焼けましたよ~』