エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「顔を見るまで、生きた心地がしなかった……」
「津雲さん……」

 彼がどれほど私の身を案じていたのかが伝わり、胸がぎゅっと苦しくなった。

 説明しなきゃいけないことはたくさんあるけれど、私はしばらく無言で彼の腕に抱かれたまま、優しいぬくもりを全身で感じていた。


 津雲さんたちがこの場所に気づけたのは、舞美さんが自宅に倉庫の場所を記したメモを残し、玄関の鍵を開けたままにしていたからだそう。

 彼女も今回の事件に一枚噛んでいるとはいえ、時田に心を支配されていいなりになってしまう自分から脱却したいと、本心では望んでいたのではないか。津雲さんはそう分析していた。

 倉庫から出たところで、手首を縛っていた結束バンドを切ってもらい、ようやく体が自由になった。

 逮捕された時田たちはもちろん、被害者の私もこれから警察署で色々と話をしなければならないので、私は津雲さんに付き添われ、集まったパトカーのうち一台の後部座席に乗る。

 なにげなく腕時計を確認すると、二十一時を回ったところだった。

< 139 / 166 >

この作品をシェア

pagetop