エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「今夜って、日付が変わるまでに帰れるでしょうか」
「そうだな……和香菜に話を聞くのはそんなに長くかからないと思うが」
津雲さんの曖昧な返事を聞いて、私は膝に置いたバッグのファスナーをそっと開ける。
そこから覗いた小さな箱は、今日一日ずっと彼に渡そうと思っていたものだ。
仕事中はうまくチャンスを見極められず、帰りもすれ違ってしまったため、週末に渡すしかないかなと諦めていたけれど……今、チャンスなのでは?
「あの、津雲さん、これ……」
「ん?」
「チョコ、作ってみたんです。……バレンタイン、なので」
照れくさくてボソボソ言いながら、リボンと包装紙でラッピングした箱を差し出す。
津雲さんは目を丸くして受け取った後、まじまじと箱を見つめて呟く。
「そうか、二月十四日……。バレンタインチョコなんて、初めてもらったな」
「うそ! 津雲さんほどカッコいい方なら、学生時代からモテたでしょう?」
「いや、カッコいいだなんて言ってくれるのは和香菜だけ――」