エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「私は、恋愛にうつつを抜かすことなく、いつも真正面から検察の仕事と向き合っている津雲さんを尊敬しています。だから逆に、ご自慢のマンションに女性なんか連れ込んでいたらがっかりしちゃうかも。〝鬼畜の津雲〟の威厳が失われるようで」

 この励まし方で、合ってるかな……?

 不安になりながらも必死で熱弁すると、私を見下ろす津雲さんの目元がふっと緩んで、穏やかな声が落ちてくる。

「ホント、浅見はよくできた部下だ」
「……い、いえ。そんな」

 こんなふうに、彼が言葉で褒めてくれるのは初めてかもしれない。立合事務官として信頼されている証拠だと思うと、うれしいな。

 そうして、いつもよりやわらかい雰囲気の津雲さんと、他愛もない話をしながら歩くことおよそ十数分。私たちは目的のお店に到着した。

 銀座の飲食店が立ち並ぶ通りにある、ビルの地下一階。重厚感のある鉄の扉を開けると、そこには大人っぽい隠れ家風のダイニングバーがあった。

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