エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
私のリクエストは〝肉〟だったから、てっきり焼き肉屋にでも行くのかと思っていたけれど、そんな大衆的な風情ではない。
間接照明のみの薄暗い店内に入ると、正面にバーカウンターがあり、数人の客がお酒のグラスを片手に談笑している。その後ろに点在するテーブル席では、お酒とともに食事を楽しんでいる客たちもいた。
「いらっしゃいませ」
「先ほど連絡した津雲ですが」
出迎えた男性スタッフに津雲さんがそう伝えると、私たちは店の奥の個室に案内された。
四人掛けのテーブルに、向かい合うようにソファの設置された、落ち着いた雰囲気の空間だ。男性スタッフがコートをハンガーにかけてくれ、私たちはさっそく席に着く。
「初めてです、こんな素敵なお店」
「なにを飲む? 酒は飲めるのか?」
「はい。それなりになんでも飲めますので、津雲さんにお任せします」
「そうか。じゃ、適当に……」
メニューを手にした津雲さんが、男性スタッフにドリンクを注文する。
そしてスタッフが個室を出て行くと、彼はふう、と息をついてネクタイを少し緩める。プライベート感満載のその仕草に、胸が勝手にどきりと鳴った。