エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
津雲さんがそう言いかけた時、ふと運転席の方から好奇の視線を感じて、私たちふたりは我に返った。
やばっ。運転席にひとり警察官がいるのを忘れて、恥ずかしい会話をしてしまった……。
津雲さんはゴホッと咳ばらいをし、ハンドルを握っている若い警察官に告げる。
「……車、出してくれ。あと、こちらの会話には聞き耳を立てないように」
「は、はっ。承知いたしました! 津雲検事!」
ぴっと姿勢を正した警察官が運転に集中したところで、津雲さんは箱のリボンに手を掛け、包装を解こうとする。
「あっ、あの、恥ずかしいので、中はおうちで……!」
「待てない。今見る」
「えっ。じゃぁ私、あっち向いてますから!」
思わず両手で顔を覆い、ぐりんと首を動かして窓の方を向く。
あああ……こんな状況でチョコを見られるなら、もっとシンプルなやつにしておけばよかった。恥ずかしくて死にそう……。
「……和香菜」
「は、はい」
見たのかな。見たんだよね。
おそるおそる顔から手をどけながら、津雲さんの方を向いてみると。