エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「……待て。なんの話だ?」
大雅さんはゆっくり椅子から立ち上がると、私のデスクに手をついて、顔を覗き込むように身をかがめた。
「いいですもう、とぼけないで……。私と付き合っているせいで、地方の窓際部署に転勤させられるんですよね? そんなことで今まで積み上げてきたキャリアを失うなんて、もったいなさすぎます。私たちの関係を終わらせて、転勤の話を白紙にするようにもう一度上に掛け合ってください。そうじゃなきゃ、私、あなたと結婚したってうれしくな――」
一気にまくし立てていたその途中で、大雅さん私の唇をキスでふさいだ。
思考が、一瞬でショートする。
「〝そんなこと〟……?」
離れていった唇が、不機嫌そうな声を漏らした。至近距離で私をとらえる瞳には、苛立ちの炎が揺らめく。
「和香菜にとって、俺との関係は〝そんなこと〟なのか?」
大雅さんが、私に対してこんなふうに怒りをあらわにするのは初めてじゃないだろうか。
その根底には私への揺るぎない愛情があるのだと思うと、胸が苦しい。