エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「……今、この状況を誰かに見られたら左遷されるかもな」
「じゃあ……すぐに離れないと」
「でも勤務時間は過ぎたし……もう一度だけ」
「ん、っ……」
最後に交わした長いキスは、幸せを溶かしたような甘い味がして。
少しだけすれ違っていた私たちの心を、またぴったりと寄り添わせてくれる魔法みたい……。
耳の奥で心地いい鼓動の高鳴りを感じながら、私はそう思った。
四月になり、年度が替わるのと同時に、大雅さんは東京地検特捜部の一員になった。前もって聞かされていた通り、毎日多忙で残業ばかり。
でも、先月の下旬から週末だけのフィアンセは卒業して、彼のマンションで一緒に暮らすようになったので、常に彼の存在を感じる空気の中にいられて幸せだ。
「ただいま……。まだ起きてたのか」
「はい。勉強中でした。ご飯、あたためますか?」
「いいよ、自分でやる」
その日はちょうど日付が変わった頃に帰ってきた大雅さん。
スーツのジャケットを脱ぎネクタイを緩めながら、ダイニングで勉強している私の手元を覗き、「頑張ってるみたいだな」と微笑んでくれる。