エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「はい。大雅さんも新天地で頑張ってるから、負けてられないです」
「あまり根を詰めすぎるなよ」
「大雅さんも」

 お互いに忠告し合い、目を見合わせて笑う。こんなささいなやり取りひとつでも、私の胸はいちいちときめいてしまう。

 彼を好きになる気持ちには限度がなくて、自分が怖いくらいだ。
 
 それから私はふと、今日の新聞やテレビ、ネットニュースのすべてに大きく取り上げられた、驚くべきニュースについて彼に尋ねる。

「それにしてもびっくりしました。あの香川検事正が、元事務官の女性へのセクハラの疑いで訴えられるなんて。しかも、検事正は自分の地位を守るために三船さんに罪を擦りつけていたんですよね……?」
「……ああ。女性は事件後もずっとセクハラの証拠を保持していたが、検察への信頼が失われることを懸念して、声をあげられなかったそうだ。……しかし、やはり何年経っても心のどこかで納得ができず、三船に相談したらしい」
「三船さんも、ずっと苦しかったでしょうね……。裁判、うまくいくといいですね」
「ああ」

 大雅さんは深く頷くと、あたためた夕食をお盆に乗せてダイニングにやってきた。

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