エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「す、すみません……」
遠慮がちにその手を掴ませてもらい、なんとか立ち上がる。けれど足に力が入らない状態は変わらず、体を支えようとしてとっさに津雲さんのスーツにしがみついた。
ふわん、と男性的でスパイシーな香水な香りが鼻腔をくすぐり、どきりとする。でも、彼につかまっていないとまた床に崩れるので、離れることができない。
「まさか、歩けないのか?」
「みたい、です……」
「仕方ないな、肩を貸してやるから」
津雲さんは若干あきれ気味の声で言ったかと思うと、長身を屈めて私の腕を自分の肩に回させ、支えるようにして個室を出る。
「化粧室……あっちか」
薄暗い通路を歩きながら、私はふと彼に話しかける。
「……優しいですね、津雲さん」
「別に……あそこで失禁されたら困るからな」
「ふふっ。そんなこと言って……。本当は鬼畜なんかじゃないって、私だけは知ってるんですから。毎日、あんなに長い時間一緒にいるんですもん。津雲さんは、強くて頭がよくて、冷たく見えるけど本当は面倒見がよくて……本当にカッコいい、私のヒーローです」