エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「なんだ、嘘じゃん職場の忘年会って。女の子と飲んでたならそう言えよ」
「……嘘じゃない。彼女は一緒に仕事をしている立会事務官だ」
「えっ。……東京地検にこんな可愛い子がいるなんて知らなかったな。あ、せっかくなんで自己紹介を」

 終始煩わしそうな津雲さんに構わず、男性はにこやかにこちらに歩み寄ってくる。そしてスーツのポケットから名刺を取り出すと、私に差し出した。

 その動作の途中で、彼の胸にひまわりのバッジが光っているのに気がつく。
 この人、弁護士なんだ……。

「はじめまして、アルモニー総合法律事務所で弁護士をしてます、三船京一郎(みふねきょういちろう)と申します。津雲とは司法修習生の時に知り合ってからの腐れ縁で」
「は、はじめまして。私は浅見和香菜と申しま……」

 言いながらこちらも名刺を出さなきゃと思ったものの、手元にバッグがない。あたふたする私に、津雲さんが声をかける。

「これか? 貴重品が入ってると思って、一応持ってきた」

 そう話す彼の手には、私の愛用している黒の革トートバッグがあった。

「あ、私のバッグ。ありがとうございま――」
「が、コイツと名刺交換なんかしたら危険だ。やめておけ。妊娠するぞ」
「へっ?」

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