エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

 なにこれ。津雲さん、なんでそんなに強引なの? 

 酔っているせいもあり、目まぐるしい展開に頭がついていかない。

 やがて津雲さんは私を個室に引っ張り込むと、すかさず壁に追い詰めて、至近距離から瞳を覗く。いつもの理性的な彼はどこかへ消えてしまい、飢えたオオカミみたいに危うい目をしている。

「なあ……俺はなぜこんなにイラついていると思う?」
「そ、そんなこと私に聞かれても…… !」

 やばい。喰われる。今にもガルルッて飛び掛かられて、喉に噛みつかれる……!

 酔っ払った頭の中にそんな非現実的な妄想が膨らみ、ごくりと息を呑んだ瞬間だった。

「浅見が……俺をヒーローだなんて言うからだ」

 強い眼差しに、少しだけ切なさを混じらせて津雲さんが言った。

「え?」
「信頼しているかわいい部下に、そう言われるのはありがたいし嬉しい。しかし、本当のヒーローなら、あんな軽薄な弁護士につまらない嫉妬もしないし……こんなことも、しないだろ?」

 嫉妬? それに〝こんなこと〟って……?

 そう尋ねる前に、素早く津雲さんの顔が近づいてきて、強引に唇を重ねられた。

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