エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
大晦日の午後、私は実家のある埼玉に帰ってきた。北千住から電車一本で行ける、都会でも田舎でもない中途半端な街で、最寄り駅までは父が車で迎えにきてくれた。
そこから家に着くまでの間に、軽く近況などを聞かれる。
「どうなんだ、最近仕事は。たしか、立会事務官といったか? それになってからもうだいぶ経つが、つらいとか辞めたいとかないか?」
「全然。むしろ前の仕事より、直接刑事事件の処理に携われる充実感があるし、すごくやりがいを感じてる」
たとえ今は津雲さんとの仲が気まずいものだとしても、仕事を辞めたいだなんてことは、まったく思っていない。
「そうか……」
運転しながら、なぜかがっかりした様子でため息をつく父。
娘の仕事が順調だっていうのに、なんでそんな反応なの?
「まさか、辞めさせたいとか思ってないよね?」
半信半疑で尋ねると、父は苦笑いしながら答える。
「いや、俺じゃなくて……母さんがな? 最近、昔やってた検事モノのドラマの再放送を見てるんだ。その中で、事務官役の女性が、検事と一緒に犯罪者を取り調べたり、捜査に参加したりしているのを見て、お前のことが心配になったらしい」