エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
父の言い分に、今度は私の方がため息をつく番だ。母は専業主婦なので少々世間知らずな面があり、さらにはミーハーだから、テレビなどに影響を受けやすい。
だからって、ドラマに感化されて娘の仕事を急に心配しだすって……なんと浅はかな。
「今さらなに言ってるの? 検察事務官にもそういう役割があるってこと、就職する前に散々説明したよね?」
「まぁ、そうなんだが……。言葉だけではわからない部分もあるだろ?」
「だからって……。しかもドラマっていうのはフィクションなんだから、派手な事件ばかり扱うし、多少過剰な演出があるものでしょ? それを丸々信じちゃうのもどうかと思う」
とはいえ、津雲さんの相棒をしていると、他の立会事務官よりはドラマチックな毎日を送っている気がしないでもない。
津雲さんは検事でありながら、警察の捜査が足りないと思えば自分で現場に足を運び、そこから見事に証拠を見つけ出したり、聞き込みで新たな証言を得たり。疑問が解明されるまで、とことん追求の手を緩めない。
だからこそ、彼は自信を持って被疑者を起訴し、法廷で被告人の有罪を立証する際にも隙がなく、完璧なのだ。