エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「お腹空いてない? なにか食べる~?」
「食べない。っていうか話あるから、早くこっちきて」
「なによ~怖い顔して」

 言いながら、母がお盆にふたり分のお茶をのせてリビングにやってくる。そして、昔から使っている角の丸まった木のローテーブルに湯呑みを置くと、床に正座して私を見た。

 私の怒りの原因など見当もつかないというような、のほほんとした顔。それを見たらますます苛立って、私は棘のある口調で話しだす。

「なんなの? お見合いって」
「ああ、そのことで怒ってるの。別に、そんなにかしこまったものじゃないのよ? ただ、知り合いの息子さんが三十を過ぎても独身だって言うから、うちの娘も仕事ばっかりで全然そういう話がないのよね~って話したら、じゃあ試しにお互いの子どもたちを会わせましょうかって話になってね」

 なんで勝手にそういう話になるかな……。私もそうだけど、相手の男性だって余計なお世話だと思っているに違いない。

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