エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「……そんな顔をするな。止められなくなる」
キスの合間に上擦った声で囁かれるが、どうしようもない。
深く絡ませた舌にまとわりついて溶け合う互いの唾液が、麻薬みたいに全身に回って、理性も思考能力も奪っていくのだ。
「ん、津雲、さ……」
好き。好きです。
声にならない想いをこめて、夢中で彼の唇を、舌を求め、食む。
部屋中に濡れたリップ音が繰り返し響き渡り、恥ずかしいと思いながらも、なかなか止められなかった。
どれくらいそうしていただろう。気がついたら津雲さんの眉間にしわが寄っていて、いったん唇を離した彼が、悩ましげなため息をつく。
「キスだけじゃ足りない……」
「え……?」
どきりとして聞き返したが、津雲さんはすぐに自分の発言を恥じたように真面目な顔で首を横に振る。そして、私の頬に添えていた手をスッと離した。
「いや、なんでもない。……とにかくこの風邪を早く治さないとな」
独り言のように彼が呟き、ホッとしたような残念なような、微妙な気持ちが胸に渦巻く。
……いやいや、残念ってなに。津雲さんは体調が悪いんだから、ここで終わりにして正解だったんだって。
「そうですね。早く元気になって下さい」
「ありがとな。……薬を飲んで、少し眠ろうと思う。キッチンにあるから取ってくれないか?」
「はい。わかりました」