エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
上半身を起こしてキョロキョロ辺りを見回すと、サイドテーブルに私の眼鏡があったので、とりあえず装着する。それから彼の体調が気になり、寝室を出てリビングに向かった。
小さくドアを開けてそっと中を窺うと、ソファで寝ていたはずの彼の姿はなく、代わりに手前のキッチンからジュウジュウとなにかが焼けるような音が聞こえた。
ゆっくり室内に入ると、香ばしい味噌の匂いが漂っていて、その出どころであるコンロの前に津雲さんが立っている。今まで彼と料理を結び付けて考えたことがなかったが、片手でフライパンを振る姿はなかなかサマになっていた。
「おはようございます。……大丈夫なんですか? 寝てなくて」
「おはよう。お陰様で、すっかり熱は下がった」
「そうでしたか、よかった……。ところで、私はなんで寝室で寝ていたんでしょう?」
津雲さんはフライパンに視線を落としたまま、軽く笑って答える。
「俺が運んだから」
「えっ?」
「疲れていたんだろう。俺の寝ているところに突っ伏すようにして熟睡していたから、起こさないように抱きかかえてベッドに運んだんだ」