エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「えっと……どう見ても昨日とまったく同じなんですけ、ど――」
そう言いかけた瞬間、ふと左手の薬指に光るものがついているのに気づき、私は固まった。
中央に大粒のダイヤが輝く、S字にやわらかく波打ったフォルムの美しい指輪だ。
えっ? これって……。混乱と同時に、じわじわと胸に広がるのは甘い期待。
自然と潤む瞳で津雲さんを見つめると、彼がゆっくり距離を詰めてきて、私の左手を取って優しく握った。
「和香菜」
初めて下の名前で呼ばれ、「はい」と返事をする声が震えた。
津雲さんは、私の薬指にぴったりはまった指輪を親指で優しくさすりながら、言葉を紡ぐ。
「これ、ダイヤは本物だが、リングの部分はプラチナでなくシルバーなんだ。プロポーズリングというらしい。もちろんこのダイヤを使って、後で本物のエンゲージリングも作れる。しかしエンゲージリングをつくるのには時間がかかるし、女性の好みもあるだろう? だから、一刻も早く婚約者に指輪を渡して、この女性は予約済みなんだと、周囲に知らしめたい。そんな俺みたいな男にぴったりの指輪なんだそうだ。焦っていると思われるかもしれないが、どうしても、浅見和香菜は俺のものだという、証が欲しかった」