先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
「え?そうですか?これくらいならきっと…」

「おまえは自分が帰国子女だからって問題を複雑に作りすぎだ。日本人はこんな問題解けない。生徒のことも考えろ。」

伊奈先生の声に若干イラつきが感じられ、小田切先生が反応し、そちらを見た。

「伊奈先生。市村にいつも指導もらってありがとうございます。」

市村さんはわたしと同期で4月に入ったばかりの女性英語教師。小田切先生が担任をされている1年A組の副担任をしている。

市村さん。熱心だけど、帰国子女を鼻にかけていると生徒からはちょっと最近シカトされ気味だ。

「いえ…」

伊奈先生も言い過ぎたと思ったのかふぅーっと一息ついた。

「考えろ。おまえの持ってるクラスは特進じゃない。普通科だ。トップレベルの進学高でもないんだから、そいつらの解ける問題を与えてやらなきゃならねーんだ。」

「ですが…それだと英語が身に付きません。」

「じゃぁそれで赤点者が続出したらどうすんだ?責任持てるのか?」

市村さんが反論するので、また伊奈先生が熱くなった。

「そ、それは…」

市村さんが言いよどんだところで小田切先生が口をはさんだ。

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