チヤホヤされてますが童貞です
共同生活することになりましたが…

同居生活の始まり

部屋に取り残された2人はぎこちない動きをしながらペコペコと頭を下げる。

「えっと…すいません。うちのマネージャーが…」
「いや、私のマネージャーも乗り気だったみたいなので…」

その話を皮切りに沈黙が訪れた。

「・・・」

《グー…》

「?」

お腹の虫が鳴いた音。

パッと顔を上げると真っ赤にしてモジモジとしている凛が目に映った。

「あっ………お腹が…空いてしまって…」
「俺でよければ…何か作りましょうか?」
「えっ、作れるんですか?」
「簡単なものでしたら…。俺、材料買ってきます。」
「……ありがとうございます…」
「いえ!」

目一杯の笑顔を浮かべ、相手に気負いさせないように、日頃磨いている営業スマイルを向けた。
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