チヤホヤされてますが童貞です
「どうぞ」
綾斗が作り上げたのはホカホカと湯気が立ち込めるオムライスだった。
「いただきます!」
眼を輝かせて、パクっと一口頬張って舌鼓をうつ。
ちなみにケチャップで何か書こうか悩んでいた綾斗だが、親しくない男にそんなことをされたら引かれるのではないか、と思い、やめておいた。
「ん〜〜〜っ!」
凄く幸せそうにしている凛。
「美味しい…!」
「よかった…」
フフッと笑みをこぼして、綾斗もオムライスを食べ始めた。
「愛華の気持ちがわかった気がします。」
モグモグと自分の作ったものを頬張りながら咀嚼する凛を無意識のうちにじろじろと見つめる。
その際、脳裏には『気持ち悪がられたらどうしよう』、『何見てんだって嫌悪感もたれたら…』などというネガティブな発想はなく…。
「? 愛華の気持ち…?」
「あっ……その…ドラマの中で愛華が作ったオムライスを渚が食べるシーン。あそこで渚と愛華の距離が縮まるし……。幸せそうに自分の料理を食べてくれる人って特別な存在に感じるなぁと…」
「………」
じーっと無心で見つめる綾斗の視線に恥ずかしく思いながら、それがバレないように凛は口を開いた。
「新津さんが演じるのは渚ですよ…?」
「あ、逆ですね」
そして2人して軽く笑みを溢す。