レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い
「それに,この姿でないとそなたと堂々と会うことも叶わないからな」
「え……?」
確かにそうだ。もしも"皇帝陛下"として現れていたら,わたしはきっと口をきくことすら畏れ多くて,こうして会話なんてできなかっただろう。
「じゃあ……,わたしがレオン様に心を開くことができるように?」
「まあ,そういうことだ。――さて,イライザ。場所を変えて話そうか」
陛下……もといレオン様が,優しい笑みを浮かべてそう提案された。
「は?」
「この部屋では,そなたが緊張して話しにくいだろうからな。いつもの場所へ行こう」
いつもの場所……。あの四阿のことかしら?
「はい!」
「というわけで,大臣。お前はもう下がっていいぞ。この娘と二人きりにしてくれ」
「……畏まりました」
大臣様は納得がいかなそうな顔をなさっていたけれど,皇帝陛下の命令なので従うしかないらしい。すごすごと引き下がられた。
「さあ,邪魔ものは消えた。俺達も行こうか,イライザ」
"邪魔もの"って……,家臣に向かってひどい言い草!
「はい」
わたしは笑いながら,レオン様が差し出して下さった左手を取った。
「え……?」
確かにそうだ。もしも"皇帝陛下"として現れていたら,わたしはきっと口をきくことすら畏れ多くて,こうして会話なんてできなかっただろう。
「じゃあ……,わたしがレオン様に心を開くことができるように?」
「まあ,そういうことだ。――さて,イライザ。場所を変えて話そうか」
陛下……もといレオン様が,優しい笑みを浮かべてそう提案された。
「は?」
「この部屋では,そなたが緊張して話しにくいだろうからな。いつもの場所へ行こう」
いつもの場所……。あの四阿のことかしら?
「はい!」
「というわけで,大臣。お前はもう下がっていいぞ。この娘と二人きりにしてくれ」
「……畏まりました」
大臣様は納得がいかなそうな顔をなさっていたけれど,皇帝陛下の命令なので従うしかないらしい。すごすごと引き下がられた。
「さあ,邪魔ものは消えた。俺達も行こうか,イライザ」
"邪魔もの"って……,家臣に向かってひどい言い草!
「はい」
わたしは笑いながら,レオン様が差し出して下さった左手を取った。