レーセル帝国物語 皇帝陛下に見初められた侍女見習い
……いや,そんなことはこの際どうでもいい。
「仕方がないだろう。そなたのことも愛してしまったのだから。……むろん,アンが大事な妃であることには変わりないが,な」
「…………」
いいのかしら?一国の主が――それもこんな大国の皇帝が,こんなに軽薄なお方で。……あら?「二人とも大事」っていうことは軽薄じゃないのかしら?
「それに,皇帝が側室を迎えることは,法的に何の問題もない」
「……えっ?」
「そなたはこの国の歴史には詳しいようだが,法律のことはあまりよくは知らんようだな」
「……ええ,まあ」
図星だった。
そういえばわたし,昔から読書好きで物語や歴史書はよく読んでいるけれど,法律関係の本はほとんど読んだことがなかった。
「そなたが先ほど言った"一夫多妻の禁止"についてだが,皇族に限っては例外とされている。世継ぎができなければ,王朝が安定しなくなるからな」
「はあ。ですが――」
「この法は成立以来,一度も改正されていない。そなたが尊敬するリディア陛下でさえ,この法には手を加えられなかったのだ」
「仕方がないだろう。そなたのことも愛してしまったのだから。……むろん,アンが大事な妃であることには変わりないが,な」
「…………」
いいのかしら?一国の主が――それもこんな大国の皇帝が,こんなに軽薄なお方で。……あら?「二人とも大事」っていうことは軽薄じゃないのかしら?
「それに,皇帝が側室を迎えることは,法的に何の問題もない」
「……えっ?」
「そなたはこの国の歴史には詳しいようだが,法律のことはあまりよくは知らんようだな」
「……ええ,まあ」
図星だった。
そういえばわたし,昔から読書好きで物語や歴史書はよく読んでいるけれど,法律関係の本はほとんど読んだことがなかった。
「そなたが先ほど言った"一夫多妻の禁止"についてだが,皇族に限っては例外とされている。世継ぎができなければ,王朝が安定しなくなるからな」
「はあ。ですが――」
「この法は成立以来,一度も改正されていない。そなたが尊敬するリディア陛下でさえ,この法には手を加えられなかったのだ」