離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
「言っても、手ごたえはないかもしれないですよ」
「俺が言いたいだけだから別にいい」
大きな手に頬を摺り寄せて、和也さんの言葉を噛みしめる。私はずっと、平気な顔をして本当は怖かったのかもしれない。
母に伝えて、また興味のないような反応をされるのが。
頬を撫でていた手が、耳を撫でながら首筋を支える位置にたどり着く。その手の指先に力がこもって、目を閉じていてもキスの前触れだとわかった。
「けど、この一週間の休暇の間は、いずみをひとりじめしておきたい」
唇が重なる直前に、そんなセリフが聞こえて、思わず私は笑ってしまいそうになった。一週間、それは私がこの部屋に帰らなかった日数の分だと思ったからだ。