離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

 大きくなったとはいえ、まだまだ安定しない駆け出し数年のIT会社だ。そんなもの、代わりなど吐いて捨てるほどいる。抱えたくせに社員の生活も守れないくらいなら、彼はその縁談を間違いなく受けるだろうと思ったから。
 それなら、期間限定で契約破棄出来る条件の方がいいに決まっている。

 彼は、新しい業務の取り組みをビジネスライクに話す私をしばらくぽかんと見つめていた。多分、その後はいつもみたいにくしゃっと笑うだろう。そう思っていたのに、違った。

 ぎゅっと、強く拳を握りしめた彼の表情に、ぎくりとして肩が震えた。彼のプライドを傷つけた、そうはっきりと、自覚してしまったから。

 だけど、他に方法はない。その会社の言いなりになって縁談を受け入れて、それで万事うまくいくとも限らないのだ。その後は、社長のみならず会社まで良い様に扱われる可能性もあるのだから。それは、私にだって予想がついたことなのだから、彼にわからないはずがない。

 私たちは期間限定の『夫婦』という業務を取り入れることになった。
 それが、今から約三年前のことだった。


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