離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
「穏やかな住宅街ですねえ」
「繁華街じゃないからな。しかし、帰宅時間帯によっては寂しい人通りになりそうだ。あまり駅から離れない方がいい」
「そうですか? 多少は仕方ないと思ってますが」
駅近になればなるほど家賃が高くなるのは当たり前で。今より多少不便になることは最初から理解している。
和也さんは私の反応に軽く眉をしかめた。
「そんなに心配していただかなくても、社会人なりたてでもあるまいし。自分の身くらい自分で守ります」
苦笑しながらそう言うと、彼は一層不機嫌そうにしてなぜかじろりと睨まれる。
「え、なんですか、その目」
狼狽えながら若干引き気味に尋ねたが、彼は「別に」と前を向いた。何それ。大の大人が拗ねたような素振りに、呆気にとられる。けれど、次の瞬間には彼はぱっと目を見開いた。
「ああ、向こうに河川敷がある。行ってみよう」
「え、かせんしき」
「休日の散歩にはもってこいの場所だろう?」
いや、けど、河川敷をわざわざ歩いて見なくても?