離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
「こんな都会にヘビっているの?」
ついびくびくとしながら草の中をうかがってしまう。得意な人なんてそうそういないと思うが、私は特に爬虫類系は苦手だ。カエルも難しい。
「川の近くは多いんだろうな。そこまで怖がらなくても草むらから離れてれば問題ないよ」
そう言う彼の声が、くっくっと笑い混じりになっている。
「笑わないでください、早く先に行きましょう」
ヘビがいるかも、と思っただけでぞわぞわと鳥肌が立ってきた。石畳の道の先を見れば、向こうの方は遊歩道が広くなっていて草も少ない。
「いや、君にも怖いものがあるんだなと」
「ヘビが怖くないって人の方が少ないと思います!」
笑うなんて心外だ。
私の方が早足になって彼を先導する。ぎゅうぎゅうと和也さんの手を強く握り返してしまっていることに気づいたのは、草の少ない広場とベンチのある空間に着いてからだった。
ほっとしたところで、はっとする。
ぎゅぎゅ。と、必要以上にしかも両手で、握り締めている、大きな手。
「……あ」