離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
ドアを開けると、カランコロンとカウベルの音が鳴る。少し薄暗い店内は、予想通り古いイメージだけれど清潔感のある店内だった。


「すごい、良い味出てるな」
「はい、雰囲気がすごい」


 お客さんは私たちの他に、まったくいない。奥まった場所から出て来たのは、初老の男女だ。おそらくご夫婦だろうか、と勝手な推測をする。


「はい、いらっしゃい」


 女性が水をもってきてくれて、男性の方はカウンターの中に入っていった。接客はどことなく素っ気ない。


「オムライスふたつとアイスコーヒーと……いずみ、飲み物はどうする?」
「私は、アイスティで」


 結構歩いて喉も乾いているので、先に飲み物を持ってきてもらった。店内は、静かに音楽が流れていて、厨房の方から何か料理をしているような音がそれに混じる。女性はカウンターの隅に座って、雑誌を読み始めた。
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