離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

 オムライスは、大変美味しかった。
 いや、これはもう、本当に。あのゲートボールのおばあちゃんたちは中々口が肥えているなと思った。
 昔ながらの、赤いチキンライスを卵でくるりと巻いたものに赤いトマトソースがかかっているのだが。
 卵はふわっとしてやわらかく、中のチキンライスはしっとりとしてトマトの風味が爽やかでうま味があって。

 そうしてオムライスのおいしさに和也さんと目を合わせて夢中になって食べていると、さっきの河川敷でゲートボールをしていたおばあちゃんたちまでやってきて、一気にお店の中が賑やかになった。
 驚いたのは、素っ気なかった女性がそのおばあちゃんたちにはとても愛想がよかったということだ。

 常連さんと一見さんで対応が違うのか……でも美味しかったし私たちがおばあちゃんたちの紹介で来たと知ると急に優しくなって、帰りに飴玉をくれた。


「なんか地元に愛されてるお店って感じでしたね」


 戸小坂駅に戻りながら、やっぱり私たちは手を繋いでいた。くすくす笑いながら話す私に、和也さんも楽しそうに笑みを返してくれる。

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