離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

「は、はい……?」
「俺は」


 彼が意を決したように何かを言いかけた、まさにその時だ。


「はい、お待たせしましたよー」


 そんな間延びした口調と共に、私と和也さんの前にオムライスの皿がとんとんと置かれた。
 和也さんの口が開きかけたままで、止まっている。私も何も言えず、数秒ぱちぱちと瞬きだけ繰り返した。


「ごゆっくりぃ」


 女性がまた元の場所に戻っていく。そういえば、静かすぎる店内で忘れていたけれど、女性もいたのだ。ふたりきりではなかった。
 かあっと顔が熱くなって、汗が滲む。


「……食うか」
「ですね。いただきます」


 話の腰を折られて、このまま流れてしまうのか。残念なようなほっとしたような、定まらない心を持て余したまま、どうにか笑ってスプーンを手に取る。


「後で話そう」


 間もなく囁かれたその言葉に、ひとくち含んだオムライスが喉に詰まりそうになってしまった。


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