離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
「あっ!」
掴まれた手をドアに優しく、けれど動かせないくらいの強さで押し付けられる。小さな悲鳴を上げて肩が震えた。
そんな私に、彼は微かに息をのんだ。数秒、私がきちんと向き合うのを待っていたようだけれど、頑なに目を閉じ続ける。そうしていると、彼は諦めたように吐息を落とした。
「……わかった。もういい」
ぽつりと呟かれて、ほっと肩の力が抜けた。やっと離してもらえるのだと気が緩んだ一瞬の隙に、和也さんの声が続く。
「だけど、これだけは伝えておく。俺は、この結婚を続けていきたい」
はっきりとした口調でそう言われて、目を見開いた。和也さんの目が、まっすぐに私を射抜いている。冗談ではないのだと、目で念押しをされているような気がした。