離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

「……な、なんで?」


 そう問い返すだけで精一杯だった。だけど返ってきたのは意地悪なものだ。


「なんでだと思う?」


 口元に笑みを浮かべてはいるものの、目が笑っていない気がした。怒っている……ような気がする。もしくは、不機嫌。


「わ、わかりません……」


 考えるまでもなく、正直にそう答えた。けれどやっぱり彼は言う。


「嘘つきだな」
「嘘なんかついてません」
「碌に考えもせずに言った。考えるつもりもないんだろう」


 息をすればそれすら相手に伝わってしまいそうな至近距離で、見おろされる。閉じ込められた腕の中は、酷く窮屈で居心地が悪い。
 追い詰められているような気がして……いや、事実、そうなんだろう。

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