離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
「わかりました、考えます、考えますから、予定日までに」
この質問に意味があるとは思えないが、今は素直にそう答えていればいい。がちゃりとドアが半分開いて、一歩下がって部屋に逃げ込もうとしたその時だ。
「じゃあ俺は、その日までにいずみの気持ちを変えられるよう努力しよう」
その言葉と同時に、私の視界から彼の黒い瞳が消えた。ふっと吐息が首筋に触れる。さらりとした髪の感触が頬を擽ったあと、耳の近くにちゅうと柔らかく唇に吸い付かれた。
……ぞく。
キスに反応して背筋を走ったのは、確かに快感だった。もう一歩下がると、腰から下に力が入らなくて足元がおぼつかなくなる。
和也さんの大きな手がするっと私の顔を撫でてから離れると、そのままドアの端に手をかけた。
「おやすみ」
そう言って、ぱたんと扉が閉まるまでの間、息が止まっていたように思う。
「……おや、すみ、なさい……」
とっくに閉まった扉に向かって呆然とそう言うと、へなへなとその場にへたり込んでいた。