離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
「……嘘でしょ?」
頬を両手で覆って、床を見つめながら考え込む。
いや、だって、そんなわけないけど、そういう意味にしかもう聞こえない。からかわれているのか、とも思ったけれど、さすがにそれはない。そんな、人の心を弄ぶような嘘を言う人じゃない。
和也さんの人間性を信じているからこそ、信じられないような仮説を信じてしまう。そして、彼は私に言わせたいのだ。会社を含めてしか考えようとしなかった私に、彼の気持ちを考えさせて、言わせたい。
「……あ! いや、ちょっと待って、大事な幼馴染は? なんだったのあれは」
滝沢さんがやたらと言うから頭に残ってて、てっきりその人と離婚予定日を見越して付き合う予定なのだと思っていたのに。