暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》

***

白を基調とした高級家具を更に輝かせるような大きなシャンデリア。



白のレースが特徴的な流行りのドレスを身に纏った女性は、今度国内で開催されるパーティーに心を躍らせていた。


「ドレスを新調するから、デザイナーに連絡を入れなさい。今すぐにね」

「かしこまりました」

彼女の命令を受けて即座に動き始める侍女。


「あぁ、楽しみだわ」


彼女が手に持つのは、一枚の姿絵。

「近頃はパーティーに参加されない陛下が、この国のパーティーに出席されるなんて…。わたくしを正妃に迎え入れるおつもりなのだわ。…そうよ。だってわたくしと陛下は初めから結ばれる運命だもの」


不気味な笑い声が部屋の中に響く。

「………準備は万端」


女性は勝ち誇ったように微笑むと、姿絵にキスを落としたのだった。



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