私に恋する可能性




「じゃあ…そろそ

「携帯見てたの?」


へ?


言葉を遮られる


携帯?

見てたって何?


多岐くんを見ると少し笑みを含んだ目で私を見ていた


「俺が連絡した時、同時に既読ついたから」


…ぐっ

そうだった

そんな機能があるんだった


多岐くんが今どこって送った時、もろに開いてたから即既読がついてしまったんだ


こ、こ、これは…恥ずかしいぞ!

すんごく恥ずかしいぞ!!


「いや、えっと…その」


何かごまかせ!何か…


「…開いてました」


間部ひなた…誤魔化すことができない女


「ふふ、やっぱり、なんで?」


うぐ…


わかっていたかのようにクスリと笑う


「…多岐くんからの連絡がずっと嬉しかったから、それ見て…多岐くんと一緒にいる気分になってました」


すごい恥ずかしいなこれ

どんだけ好きなんだよって話だよね


でも…本当なんだもん

仕方ない


「ふーん…めっちゃ好きだね俺のこと」


ぐはっ!

それを自分で言えてしまうのね泣



「…好きですよ」


すごく好き


ゲーム相手だって自覚してても

多岐くんが私を好きじゃないってわかってても

やめられないほどに


多岐くんが好きなんだ

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