極道の彼は子持ちの私に溺愛する
「俺に抱かれることに悩む奴は初めてだな」
そう言われ、私の髪の毛をクルクルといじる
きっとドキドキするのはこの人のルックスというだけ
何なら今日が初対面だし、この人の人柄も知らない
「…お手洗い行っていいですか?」
「あぁ、トイレぐらい好きにしろ」
私は考えた、
この隙に逃げればいいじゃん、ということを。
マスターにはさっき鈴音の彼が来た時に一緒にお金も支払い済みだし問題ない。
私は帰るだけ
彼に会ったこと自体を無くしてしまえばいい
ヤクザが たかが庶民1人、通行人Aに対して本気で探すようなことはしないはず。
トイレに行くふりをして立ち上がった、と同時にまさか彼も立ち上がってしまった。
「店の前で待ってる、…逃げようとしてたなら初めに言ったろ?俺は気に入った女を逃がさない」
私が何をしようとしていたか、まるで知ったような口調でクスッと笑った。
「晴臣ご馳走さん、また来るわ」
「…その子のこといじめすぎるなよ?」
晴臣ってマスターのこと、だよね?