翼のない鳥
そこで柊羽が口を開いた。
「2人とも、ここに来る前は外国に留学してたんだよな。アイツ、どのくらい英語喋れるんだ?そしてそのレベルに至るまでにかかった期間はどのくらいとか、覚えていないか?」
お、そうか。
どのくらいの時間で律が英語を習得したのか分かれば、ちょっとは知能の高さが計れるかもしれない。
さすが柊羽。
頼れる俺らのブレーン。
でも、美鶴はそんな柊羽の問いにぱちぱちと瞬きをして、首を傾げた。
「・・・そういえば、律、日本人学校行ってなかったかも。うん、最初から現地の学校に行ってた気がする。」
「はあ!?」
え、それおかしくね?
日本人学校って、まだ英語があんまし上手く喋れねえヤツが行くところ、だよな?
最初から現地の学校ってことは、それなりに喋れるレベル。
最初から英語喋れるわけねーのに、なんで?
あ、それに、と美鶴は付け加える。
「一度、律の学校に見学にいったことがあるの。イギリスに行って、1年くらいたったときだったかな?律、フランス人とかイタリア人とか、ドイツ人もいたっけ?いろんな国の人と話してた。あれ、全部相手の母国語に合わせてた気がする。・・・今思うと、変かも?」
「いや、今思わなくても普通におかしいだろ!」
あれ、なんで俺突っ込みに回ってるんだろ。
・・・美鶴って、天然?
なんか俺、頭痛くなってきた。