翼のない鳥
「おい、じゃあ勉強は?アイツ授業出てねえんだろ?バカなんじゃね?」
そういったのは、自身が勉強嫌いの真秀。
すると美鶴は、またもやうなり始める。
「・・・よく、わかんないの。」
分かんない、って・・・
「私、律と一緒に学校通ったこと、今までなかったから。」
ちょっと困ったような顔で笑う美鶴に、何も言えなくなる。
「あー、そっか。じゃあしかたないよな。」
何かを感じて、俺たちは踏みとどまった。
それは、一種の壁、みたいなもの。
ここから先は、きっと、立ち入り禁止エリアだ。
今の俺たちが踏み込んでいい場所じゃない。
まだ、その時期ではないから、と。
だから俺たちが、ぐっと堪える。
馬鹿な真秀だって、そこに突っ込んでいくなんて馬鹿なことしない。
なんだかんだいって、ここのメンバーは皆、良いヤツばっかだからさ。
それにしても。
案外、この双子は関わりが少なかったのかもしれないな。
「ふうん、じゃあ美鶴は律の学力知らないんだな。」
結局どうなんだろ。