愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~



「う、うーん」


頭が痛い。
きつく閉じていた両目をなんとか頑張って開くと、真っ白な天井が見えた。
うちの古い和室の傘とは違う、スタイリッシュな電気の形。
体には、軽い毛布の感触。

一瞬どこ? とパニックになったけど、すぐに思い出す。


「……月島くん?」


ここは月島くんの部屋だ。
二日酔いの頭を抱え、上半身を起こす。リビングではなく月島くんの寝室のようだ。

ブラインドの隙間から漏れる明るさからいって、朝を迎えているらしい。
お酒を飲みすぎて一晩眠ってしまうなんて、とんだ失態だ。

周りを見回したけれど、月島くんの姿はない。
リビングに行ってみようと思ったとき、サイドテーブルの上の携帯が鳴った。
表示された番号には見覚えがない。


「もしもし?」


訝りつつ、携帯を耳にあてる。


『毛利さん、おはよう』
「つ、月島くん?」
『うん。目覚めはどう?』


月島くんの余裕に満ちた低く通る声が、耳によく馴染む。
電話番号も母に聞いたんだろうな。


「昨日は寝てしまってごめんなさい。まさか一晩ぐっすりとは思わなくて」
『ううん、楽しかったよ』


反省してベッドの上で正座する私に、月島くんはクッと籠もった声で笑った。
まるで耳のすぐそばで囁かれているような錯覚を引き起こし、不覚にもドキッとした。


『朝食はキッチンに用意しておいたから。 着替えも必要だったらコンシェルジュに頼むけど』
「ううん! そこまでしてくれなくても大丈夫」
『それから毛利さんのお母さんには、俺から連絡しておいたから。お酒飲みながら疲れて寝ちゃったって話してある』
「なにからなにまで、どうもありがとう」


肩を小さくし、見えてるわけないけれど頭を下げずにはいられなかった。


『そんな申し訳なさそうにしなくていいから、俺が帰るまでゆっくりしててよ』
「えっ! それは遠慮しておくわ」


見透かされている。
どこかに隠しカメラでもあるんじゃないかと思い、髪を振り乱して部屋中を探す。
その挙動不審な行動までお見通しだったのか、月島くんは声を上げて笑った。
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