愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~



私が泣いてしまったから微妙な空気になり、その日からなんとなく涼介さんとの間にぎこちない空気が流れるようになった。

表面上はいつもと同じなんだけど、どこかよそよそしい感じがするし、ガンガン攻めてくるスキンシップもめっきりなくなった。

マンション建設を控えた涼介さんは仕事が忙しくて帰りも遅く、私はここ数日、涼介さんが手配してくれたタクシーで仕事から帰宅している。

私が眠ってから帰ってくるので、朝の短い時間しか会わない日々が続き、仕事がランチタイム専任になる話もできないでいる。

話したら、涼介さんはどんな反応をするだろう。
それじゃあ話が違う、結婚した意味がない、って思うかしら……。

直接涼介さんから、情報がほしいと言われたわけじゃないのに。
自分に自信がない。疑心暗鬼になり、複雑な心境だった。


『早く俺を好きになるように、おまじない』


もしも月島不動産の利益のために結婚したのだとしたら、ただ利用されているだけだもの。すごく悲しいから。
おまじないが効かないでほしいと、すがるように心で願う、すれ違いの日が続いたある日。

私は朝から少し緊張していた。
今夜も藤井さんの予約が入っているからだ。

今日も手紙を頂いたらどうしよう。はっきりと、困ると伝えてもいいだろうか。
そういえば、あの日の手紙って……。


「あれ、どうしたんだっけ?」


たしか、あの日はいていたジーンズのポケットに仕舞って、それで……。


「まさかそのまま洗濯しちゃった、とか? ヤバい、帰ったら探さなきゃ」
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