寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「ですから、それは……」
言葉を間違ったかと目を泳がせる彼女は、腕の力が抜けて顎が落ち、そのまま丸くなる。
「晴久さんは、下心じゃないですから……」
晴久はすぐに動きだし、雪乃の手首をひとつ掴んで、引き寄せながら反転させた。
彼女は一瞬で腕の間に閉じ込められる。
シンと静まり返った。
(晴久さん……?)
覆い被さられ硬直した雪乃だが、それでも浮かべているのは恐怖ではなく、ただ驚きと戸惑いである。そしてそんな中でも彼の初めて見る表情にドキンと胸が鳴った。
「俺に下心がないと思う?」
今の状況を理解していない彼女を挑発的に見下ろして、晴久はその気になれば簡単に奪えるということを見せつける。
初日の夜から、こうしなかったのは、すべて自分の我慢の上で成り立っていたこと。それを下心がないと思われていたのなら、大きな勘違いである。