寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
雪乃に幻滅されるかもしれないという不安もかすかにあったが、晴久は彼女に、こうされたくないのなら危機感を持ってほしいと警告したかったのだ。
「晴久さん……」
「俺も男だよ。好きな人の近くにいたら、こうしたいと思うに決まってるだろう。家に泊めて一緒のベッドに入るなんて、下心がない方がおかしいと思わないか?」
「えっ……」
雪乃は思わず、頬を手で覆う。優しい彼の本音は彼女にとってあまりにも刺激的だった。
「分かった? もし俺に手を出されたくなかったら、あまり挑発しないでほしい」
晴久は上司のように厳しく言った後で、甘く微笑み、頭を撫でた。
「なんてね」と冗談で終わらせようとするが、時すでに遅し。
彼の言うことをすっかり真に受けてしまった雪乃は顔を真っ赤に染め、口をパクパクと動かしていた。
「すみません、私っ……」
「ごめんごめん、俺が驚かせたね。謝らなくていいから」
「いえ、私が悪いんです!」
これはまずい、と晴久は冷静になる。
「悪くないよ。雪乃、落ち着いて」
とにかく混乱している彼女から離れてあげようと思い、上から退こうとした。
しかし慌てた雪乃に手首の裾を掴まれているため動けない。