寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
ショッピングモールの敷地から一歩出て駅へ向かう歩道の途中で、晴久は足を止めた。
「もう暗くなるけど、どうしたい? ……あと一か所寄れるところあるんだけど」
「え! 是非行きたいです。どこですか?」
「秘密。でも、結構暗いところ」
〝暗い〟にピクリと反応した雪乃だが、すぐに晴久がいればどこだって怖くないと思い直した。
長年避けていた映画館だって、暗闇など考える暇もないほど、雪乃の頭の中は晴久でいっぱいになったのだ。
「晴久さんと一緒なら、暗いところでもいいです」
ギュッと彼の腕に抱きついて、雪乃は笑った。
(……ヤバい)
清楚な顔立ちとはアンバランスなほど大きな胸が腕に当たり、晴久はビクンと背筋を伸ばす。
「晴久さん?」
「いや、何でもない。行こう」
胸の感覚に神経が研ぎ澄まされるものの、心から楽しそうにしている雪乃を見ると、また和やかな気持ちに戻った。