寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
しばらくこの調子で次長からの指摘と晴久のフォローのラリーが続いた。最後に、伊川という社員に矛先が向く。
伊川は晴久と同期だが職位は主任で、先ほどから部長に褒められている晴久を恨めしく睨んでいた。
「伊川。キミはギリギリ目標を達成しているものの、先期に比べると勢いが落ちている気がするんだが、なにか変わった点はあるのかい?」
次長に名指しされてハッとした伊川は、「そうですねぇ」と少し考え、すぐに答えた。
「予定されていた機器の入れ換えがなくなった担当先がいくつかあったので、少し実績が落ちました。でも、それをカバーできるほど新規をとってます!」
「うむ。たしかにそうだ」
納得した次長が晴久に「高杉くんはどう思う?」と意見を求める。晴久は少し黙った後、静かに話しだした。
「私は伊川の数字については危機感を持っています」
「なっ……」