寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~

一部始終を見ていた晴久はなんとも言えない気恥ずかしい気持ちになり、口を押さえてしばらく体の熱さに耐えていた。

中のふたりは時折笑い声が聞こえるほど打ち解けている。

「じゃあ私、行きます。お昼にすみませんでした。……今度、ご飯とか連れてって下さいね」

「うん。そうしましょう。正直に伝えてくれてどうもありがとう、岩瀬さん」

話しながら雪乃と岩瀬がフリースペースから出てくると、晴久はサッと壁際に隠れた。

ふたりは入り口で手を振って別れ、まだ昼食を買ってもいない岩瀬は足早に廊下を走って去っていく。

(岩瀬さん、私を嫌っているわけじゃなかったんだ。うれしいなぁ……)

雪乃はフリースペースの入り口にしばらく立ったまま、岩瀬に言われたことにまだ頬を赤らめていた。
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