寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
雪乃はふたりきりになったとぼんやり分かると、もう一度「晴久さんごめんなさい……」とつぶやく。
すると、くつを脱いだ途端に雪乃の体は宙に浮いた。
晴久が抱えあげており、強引に寝室まで運ばれると、少し乱暴にベッドの上へと背から降ろされた。
「きゃっ」
マットレスが弾み、雪乃は衝撃で目を閉じる。すると次に目を開けたとき、晴久は上にまたがり、鋭い目で見下ろしていた。
「晴久さん……」
「連絡が来て驚いたよ。会社近くのバーで伊川の行きつけはあそこだけだから、すぐに分かったけど。まさか雪乃が、知らない男と飲んでたとはね」
低い声にヒヤッとし、雪乃はクラクラする頭を必死に横に振る。
「わ、私……お酒を、飲むつもりは、なくて……」
「でもふたりきりだった」
雪乃の大きな瞳が揺れる。この瞳を伊川にも向けたのだと思うと、晴久のはらわたは煮えくり返りそうだった。